2012年3月21日水曜日

雑草という奥深い世界

今日はポンカン園の草刈りをした。半日使って、できたのは1/4程度(約350 ㎡)。もう少し効率を上げなくてはならない。

ところで、草刈りをしていて気づいたことがある。それは、思った以上に雑草の植生が変化に富んでいるということだ。簡単に言えば、場所によって生えている雑草が違う。同じ園内なので、気温や雨量などの基本条件は共有しているわけだが、日当たりや管理の微妙な違いによって優勢な種類が異なっているのだ。

残念ながら、雑草の知識が薄弱なので何が生えているのかよくわからないのだが、マメ科植物が生えているところもあれば、イネ科らしき植物が生えていたり、本当にたった数メートル離れるだけで雑草の様相ががらっと変わる。

雑草は、全体としては根絶できないやっかいな存在ではあっても、個々の植物は、実は思っている以上にフラジャイルなのかもしれない。つまり、環境の微妙な変化で他の植物に取って代わられる、過酷な競争が雑草間にあり、雑草の栄枯盛衰は意外に激しいのではないだろうか。

とすれば、雑草の様相をつぶさに観察すると、土壌や日当たりについていろいろなことが分かりそうな気がしてきた。「雑草学(Weed Science)」という学問があるくらいなので、当たり前といえば当たり前なのだが。

雑草の世界が環境の変化に敏感だとしたら、ちょっと意外だ。植生遷移の最終的な平衡状態である極相においては、単一種が優勢な地位を確立することが多い。例えば、白神山地のブナ林とか、屋久島のスギ林とか、古い森は唯一の優勢種を中心にして植生が構成されている。山の土壌や日当たりは一様でないにもかかわらず、樹木に関しては総体として優勢な種が一つに決まるということを考えると、どうして雑草が微妙な環境の変化を敏感に反映するのか不思議である。同じような環境の下で生育しているので、普通に考えれば園全体が似たような雑草植生になりそうなものだが…。

ともかく、改めて雑草の知識が薄弱なことが悔やまれる。栽培植物と同様に、雑草にも実は奥深い世界があるのだと思う。農業とは直接関係ないと思うが、以前からずっと気になっていた『柳宗民の雑草ノオト』を是非読んでみたい。

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