2012年2月27日月曜日

台木の勢いに負けているポンカン

現在お借りしている果樹園は、ポンカンとタンカン合わせて数十本が植わっているが、そのうち10本くらいは、ちょっと樹勢が弱い(=つまり元気がない)。

樹勢が弱い樹のほとんどは、いわゆる「台勝り」の状態にある。

「台勝り」というのは、写真のように、根元が盛り上がっているのでわかるのだが、一言で言えば、台木の樹勢に接ぎ木(穂木)が負けているのである。

柑橘類は一般的に接ぎ木で生育されている。つまり、根の方は地上部の木とは全く違う木(の根)になっていて、いわば2種類の木のキメラなのである。

接ぎ木する最も大きな目的は、収獲までの時間短縮である。「桃栗三年柿八年」という言葉があるように、一般に果樹は発芽から収穫までの時間が非常に長いのであるが、接ぎ木することによって早いものでは接ぎ木の翌年には収穫できるようになる。

他にも、接ぎ木は病害虫に強くなったり、痩せた土壌でも良果を収穫できたりするというメリットもあるが、デメリットもある。それは、別の樹種を人工的に繋ぎ合わせているため、樹種間の相性や樹勢の違いによって、地上部(穂木)と地下部(台木)のバランスが崩れやすくなることである。

「台勝り」とは、台木の樹勢が穂木の樹勢を上回っていることで、必要以上に根からの養分が吸収されることになる(と思う)。果樹は、「根から得た養分」と「葉で行う光合成による養分」の2つのバランスで実るものであるため、このバランスが崩れるのはマズイ。

しかし、よく分からないのは、台勝りが起こる原因である。(穂木の)樹勢が弱っているから台勝りになっているのか、それとも台勝りになっているから樹勢が弱っているのか、因果関係はどちらなのだろう。台勝りとは、穂木と台木の相性で起こると言われるが、相性だけの問題だけではなく、そこの環境(光量、気温、降水量など)にもよるのではないだろうか。

因果関係の方向が分からないということは、実際的な面だけで言えば、「うちのポンカン、台勝りになっているんだけど、どうすればいいんだろう?」というのが分からない。というわけで、もしいい方法をご存じの方がいたら教えて頂けたら有り難い。

【参考】キトロロギストXの記録
カンキツ研究者のブログですが、非常にためになります。以下の記事に接ぎ木のことが詳しく掲載されていました。
カンキツは接ぎ木が基本です

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