2012年6月13日水曜日

「大浦ふるさと館」はスモモの穴場?

自家用のスモモが収穫時期だ。

スモモというと「酸桃」という字から連想されるように酸っぱいという印象を持つ人が多く、事実昔のスモモは酸っぱかったらしいが、近年の栽培種は爽やかな甘さで大変美味しい。

ただし、スモモは非常に傷みやすいため、商品として売る場合は完熟する前に収穫することが多い。そのため販売されているスモモはやや酸っぱいものが多いようだ。

ともかく、傷みやすいというのは市場流通の上では致命的で、運んでいるうちに商品価値が下がってしまうようなものは卸売りが手を出したがらないのは当然である。そのため、スモモというと誰でも知っている身近な果物だが、実は他の主要果実に比べ生産量が桁一つ少なく、約2万トン/年ほどしかない。あまり日本産がないキウイフルーツでも3万トン/年くらいあるわけで、実はとても貴重な果物なのだ(※1)。

実際、ネットショッピングだと1キロあたり2000円以上するような高級スモモばかりが見つかるが、普通のスモモを細心の注意を払って冷蔵輸送するのは割が合わないためだと思う。そういう事情から、安くて美味しいスモモは産地でないと手に入りにくい。

しかも、スモモは山梨・和歌山・長野・山形の4県で生産量の約8割を占めており、全国で栽培可能なのにも関わらずなぜか産地がかなり偏っている。そんな事情から、スモモは多くの人に身近に感じられながら、実際にはほとんど食べられない果物、という不思議な存在だ。

しかし、ここ大浦町では以前スモモ栽培を奨励して苗を配ったことがあるとかで(※2)、多くのスモモが栽培されているらしい。そのため、地元の物産館(大浦ふるさと館)ではシーズンになると1キロあたり250円というかなりの低価格でスモモが売り出されるという。地元の人はこの低価格を当然と思っているが、実はここはスモモの穴場なのではないだろうか。

私も、自家用やおすそわけで消費できない分を「大浦ふるさと館」で売っているが、なかなか市場流通しない樹上完熟・無農薬栽培のスモモを一袋(500g)150円で出している。樹上完熟させたスモモの美味しさは格別で、自分でいうのも何だが1キロあたり300円というのは相当にお買い得だと思う。本当に「大浦ふるさと館」がスモモの穴場として情報通に知られるようになったら面白いのだが。


(※1)ちなみに、以前ビワのことを「全国的には希少」と書いたが、ビワの生産量はさらに桁一つ少なく、5000トン/年くらいである。ビワは暖地でないと育たないのだが、スモモは日本では比較的どこでも栽培可能であることが、この差を生んでいると思う。しかしスモモと同様に傷みやすいビワの場合は、輸送に有利な大都市近郊が産地となっているのに、スモモの産地はそういうことはなく、どうして本文中の4県が産地になったのか不思議だ。

(※2)間違っているかもしれない。未詳。

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