2012年6月11日月曜日

(大好きな)シロアリが来襲…!

シロアリのカップルが成立するところ
ふと気づいたら、家がシロアリだらけだった。

今春、シロアリ防除はしたので、うちで発生したわけではなくて、どこからか飛来したシロアリの群れが侵入したということになるが、すごい数である。

1畳あたり10匹以上はいる。どこでも目を向ければ必ずシロアリが歩いているという風情でなんとも居心地が悪い。

最初のうちは、せっせと取り除いていたが、余りに数が多く、取っても取っても湧いて出てくるので、もはや戦意喪失してしまった。目に見えるところにこれだけいるので、天井裏などはものすごい数だろうし、百匹二百匹殺したところで大同小異だ。防除はしているので、きっと家には居着かないだろう(と信じているが、そうでなかったらどうしよう…)。

ところで、シロアリというのは面白い昆虫で、他の生物が食糧として利用できない木質(リグノセルロースというセルロースリグニン等の複合体)のみを養分として生きている。リグノセルロースというのは人間が化学的手法を使っても分解が難しい物質なのだが、シロアリは体内に非常に特殊なバクテリアたち(※)を飼っていて、このバクテリアたちに木質を分解させることによってこれを栄養化する。しかもこのバクテリアたちは、なんとシロアリの体内にしか棲息しておらず、シロアリの体外では(今のところ)培養できないという本当に変わった連中である。

分解が難しい木質を食糧とすることから、シロアリは木質の分解者として自然界の炭素循環における非常に重要な地位を占めており、仮にシロアリが不在であったら、地球上は倒木だらけであったろうと言われるほどだ。ちなみにシロアリの起源は、植物が本格的に木質を獲得したのと同じくらい古く、約3億年前に遡る。もしかしたら、シロアリと木は共進化したのかもしれない。

さらに面白いのは、シロアリはその全種が真社会性だということだ。「真社会性」というのは生物学の用語で、ごく簡単に言えば「群れに階級が存在し、特にその中に不妊の階級がある」ということだ。つまり群れには子孫を残せない集団がいて、そいつらは一生を働くだけで終わる。なんだか切ない話だが、生物学的には非常に面白い性質である。

そんなわけでシロアリには昔から関心があり、できることなら巣を継続的に観察したいくらいなのだが、うちは築百年近い純木造住宅なので、もし本当にシロアリが居着けば、ひとたまりもない。そもそも、窓も開けていないのにシロアリの群れが家の中に入ってくるくらい隙間だらけなのがまず問題で、うちにはシロアリ以外にもいろんな昆虫やなんだか正体がわからない生物(?)がたくさん居候している。家内は「こんなに棲みつくなら家賃を払って欲しい」とぼやいていたが、正直、シロアリには仮に家賃を払ってくれても棲みついて欲しくないと思う。

(※)正確にはバクテリアだけでなくて、原生生物も含む。

【参考文献】
シロアリ腸内原生生物と原核生物の細胞共生」2011年、本郷裕一

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