2013年4月26日金曜日

「南薩のオリーブ」ができるかもしれません

南さつま市では、今後オリーブの栽培振興が始まる(かもしれない)。これは私にとってはとても有り難いことである。

4月25日、南さつま市は「農業生産法人寺田農園株式会社とのオリーブの共同栽培及び技術提携に関する連携協定」を締結したのだが、要は寺田農園さんに市の土地(70aほどの砂地)を貸してオリーブを共同栽培するようだ。

最初、「どうして南さつま市がオリーブ栽培に手を出すんだろう?」と思っていたが、こういう経緯らしい。南さつまの特産に各種のカンキツがあるが、これの先行きは消費の先細りが顕在化しつつありかなり危うい。また、農家の高齢化や人口減により、手間のかかるカンキツよりも省力的な栽培可能な作物が求められているということもある。そのため市では有望な作物としてオリーブに着目していたところ、本坊市長が20数年来の付き合いがある寺田農園の寺田信義さんから南さつま市でオリーブ栽培をしたいと声を掛けられたことをきっかけとする。

ちなみに、寺田さんは加世田のご出身で、何かふるさとに残したいという思いもあって、加世田は本拠地の農園からは遠いがここにオリーブ園を設けることにしたそうだ。寺田農園では、香川県の小豆島を視察した際にオリーブに興味を持ち、3年前から谷山にオリーブを植栽しているという。

日本におけるオリーブの栽培振興は明治時代に導入された小豆島を嚆矢とし、最近では熊本県の天草市における九電工の取り組みがよく知られている。南さつま市では、これらの2匹目のドジョウを目論んで、将来的には日置市などとも連携して吹上浜沿岸でオリーブ産地を形成し、6次産業化を行うのだという。

私も昨年からオリーブの栽培を検討していたので、こうした市の方針は追い風になる。特に、オリーブは収穫後24時間以内に搾油しなくてはならないのだが、個人で搾油機を買うのはバカバカしいため、もし市の方で搾油設備が整うのであれば願ったり適ったりだ。

ついでに言うと、私がオリーブに注目しているのは、地中海の食文化に興味があり個人的にも好きだということの他に、食用油に興味があるということもある。必ずしもオリーブでなくともよかったが、食用油関係の農業にも取り組みたいなあと思っていた。というのも、新興国における生活水準の向上に伴って食用油はグローバルな価格上昇が予見されており、現在は国産のオリーブ油は地場特産品、有り体に言えばもの好きのための嗜好品でしかないが、将来は輸入食用油と比べても競争力を持つ可能性がある。

というわけで、一人でも収穫可能な面積がどれくらいなのかまだ不明なのだが、10〜20aくらいを工面して、今年の秋か来年の春にはオリーブの栽培を開始してみたい。本当に「南薩のオリーブ」が実現したら、とても面白いと思っている。

4 件のコメント:

  1. さとちゃん2013年4月27日 0:27

    いいですね~。
    わたしにも何か手伝えることはないかなぁ…。南さつまでオリーブのお仕事…。やってみたいな!

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    1. さとちゃん さん

      コメントありがとうございました。さとちゃんさんのお手伝いも計画に入れておきますね!(笑)

      南欧では、オリーブの収穫というと一族郎党が集まってわいわいがやがややるイベントなんだそうです(まあ、最近はどうだか知らないですけど)。というのも、記事中にも書いたように採ったらとっとと搾油しなければならず、一度に大量に絞る必要があるので人手がいるのです。市役所の方は省力的な作物ということで着目しているみたいですが、イベント的に大勢で集まってオリーブ収穫をするのも面白そうですね!

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  2. 日置市でのオリーブ栽培についてニュースで見てとても興味を持ちました。頑張ってください。イタリア料理と言えば、オリーブオイルとトマト、シーフードっていう印象があります。(間違っていたらごめんなさい。)おいしいトマトも同時に栽培してまちおこしできないかなー?なんて勝手に思っています。

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    1. ご声援ありがとうございます! オリーブだけじゃなく、イタリア料理の食材が地域で揃ったら面白いですよね! 私にとってイタリア料理といえばオリーブ、アーモンド、ケッパーなので、アーモンドとケッパーも栽培したら面白いと思います。雨の多い日本ではケッパーは露地栽培では難しいですけどね。

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