2012年1月28日土曜日

古民家——適材適所の家づくり、山づくり

古民家を隅々まで掃除すると、改めてその構造と材の使い方の丁寧さにハッとする。

構造材には堅く頑健な重い木を、意匠や建具には加工しやすい柔らかく軽い木を使っている。しかも、求められる強度に合わせてその太さを変え、木目と節の見え方まで計算されているように見える。

まさしく、「適材適所」だ。

現代の建築のことはよく分からないが、基本的には材が規格化されているし、普通住宅ではこのような細かい気遣いはなされていないのではないかと思う。

これに関してもう一つ驚くのは、これらの材は全て自家林あるいは集落の山から調達してきたものだということだ。現代では、どこからでも材木を仕入れることが可能だろうが、昔は材も自給自足していたので、これらの材は全て手近にあったものである。

ということは、構造材、内装材、仕上げ材などになり得る木を予め植えてなくてはいけない。つまり、家づくりの前に、山づくりがなくては適材適所の家はできなかったことになる。改めて、昔の人の、自然を管理する術には賛嘆せざるを得ない。

1 件のコメント:

  1. 国栄えて国土が荒廃する選択が今後も選択されるのだろうか?
    豊かな半島のスンクジラが今でも心ある方々で守られているようです。
    応援したい初期高齢者?です。

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