2013年6月28日金曜日

水陸両用バスに試乗

先日、南さつま市が実証実験として運行した水陸両用バスに試乗させてもらった。南さつま市では、海沿いの景観を生かした観光振興の一環として、話題性のある水陸両用バスの定期運行を計画しているという。

当日の試乗コースは仁王崎から片浦漁港へ行き、そこから進水して片浦湾内を一巡りしてまた元に戻ってくるというもの。全体を通じてみて、ネガティブで申し訳ないが「定期運行したら赤字だろうな」と思ってしまった。

片浦湾内の景色は悪くないが、やはりなぜ水陸両用バスでなければならないのか、というところがぼやけていて、観光するなら遊覧船でいいんじゃないかと思う。この水陸両用バスは波が静かな内海でしか運行できないのではないかと思われるが、おそらくそのためにコースが片浦湾内に限定されてもいる。本当にそうかどうかはわからないものの、あえて片浦湾内を観光しているというよりは、外海に行けないからしょうがなくそこを巡っている、という感じがぬぐえない。

せっかくの水陸両用バスなので、バスでも、遊覧船でもできない特徴的な観光コースができればよいと思う。例えば、無人島に上陸するとか、そういう無茶はできないものだろうか。少なくとも、「景色がきれい」という漠然としたアピールの仕方ではなくて、「水陸両用バスでしか見られないこの景色が見られます!」というような目玉が欲しいところである。

他にも、実際に定期運行を考えると難しい点が多々あり、予算的なことも考えると、イベント的な運行に留めておいた方がいいような気がする。

ただ、船上で観光ガイドをしていただいた「加世田いにしへガイド」の方の案内は結構ためになり面白かった。短い遊覧コースではあったが、そこには意外にもたくさんの歴史があり、ただ風景がきれいなだけではない、奥深い内容があったと思う。観光振興には話題性も重要だが、ああいう地味な活動はもっと大事だと思うので、同じお金を使うなら、そういう草の根の動きを一層盛んにするような使い方をしてもらいたい。

3 件のコメント:

  1. こんばんわ。
    試乗は抽選だったと聞きましたが、うまく当選できたのですね。
    昨日のローカルニュース(NHKの情報WAVE)で実際の映像を見ました。映像を見た限りでは、「水陸両用バス」の物珍しさを楽しむ感じで、陸路から海へ出る瞬間が一種の醍醐味のように思えました。遊園地の乗り物を日常に持ち込んだというか...。
    陸路での乗り心地、船としての乗り心地は、普通のバスや船に比べてどうなのでしょうか。
    ちなみに、私の同級生も試乗していたようです。映像に映っていました。

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    1. 翻訳者さん

      コメントありがとうございます。進水の瞬間が一番ハデなのは間違いないのですが、乗っていると意外に何事もありませんでした。映像を見る限りでは、外野で見ている方が見応えがあってよさそうです。
      陸路での乗り心地は、かなり座席面が高いので2階建てバスみたいな視点の高さがあって眺めがよいです。しかし窓ガラスがはまっていないため、荒天だと雨が降り込んできてしまいます。これはかないマイナスですね。
      一方、船としての乗り心地は、当日全く波がなかったのでよくわかりませんが、少なくともスピードがとても遅いです。湾内を巡るコースに限って言えば別段気になりませんが、湾外に出て行くのは難しそうなスピードでした。

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    2. こんばんわ。
      乗り心地の感想、ありがとうございます。
      海に入る瞬間が「意外と何事もない」というのは、ちょっと予想外でした。港のランプ(ramp)を下るから、さほど衝撃がないのかもしれませんね。
      実は、今日、加世田へ買い物へ行った帰りに、水陸両用バスとすれ違いました。確かに背が高いですね。あと、通常のバスに比べてホイールベースが短いように感じました。一瞬だったので、細部までは把握できませんでしたけど。
      風狂さんのおっしゃるように、無人島の上陸などができれば楽しそうですが、あのバスだと車輪が砂に埋まってしまいそうですね。軍隊仕様の車両が必要かも(笑)。

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