2013年6月14日金曜日

アボカドの栽培にチャレンジします

遂に、昨年来計画していたアボカドを植え付けた。面積は、耕作放棄地の藪(林?)を開墾したところの約1反(10a)、本数は約50本。

アボカドは日本ではまだほとんど経済生産されていない作物だが、近年その食べ方が浸透してきて消費が急激に伸びており、価格も安定していることから注目を集めている。

お店に並んでいるのはメキシコやニュージーランドからの輸入ものがほとんど、というかほぼ100%で、国産アボカドへの需要は大きいと見られている。というのも、長い航海に耐えるため保存性の良い「ハス」という品種が輸入されているが、これはアボカドの品種の中では必ずしも代表的なものではないからだ。

日本でアボカドというと、黒くてゴツゴツした無骨な印象があるかと思うが、アボカドグリーンという色名があるように、実は鮮やかな緑色のつるんとした果実の品種がアボカドの代表選手だ。

というわけで、私は緑色の果実がなるベーコンとフェルテという品種、それから受粉樹としてゴツゴツ系であるピンカートンという品種を植えてみた。アボカドはカンキツのように非常に品種が豊富で、何千種類もの品種があるといい、熱帯果樹ながら意外と耐寒性のある品種もある。このベーコンとフェルテという品種はマイナス5℃くらいまで耐えられるそうだから南薩では十分に越冬できる。ピンカートンは実は少し耐寒性が弱いが、枯れたら別の品種に植え直そうと思う。

ちゃんと調べたわけではないが、現在10a以上の規模でアボカドを作っている農家は国内にはほとんどない。多分、両手で足りるほどではないかと思われる(間違っていたらすいません)。つまり、もし私のアボカド農園が成功したら、日本でも有数のアボカド農家になれるわけだ。

というのは冗談だが、実はアボカドには一つ期待していることがある。アボカドは廃園になったミカン園に植えるのが最適ということで、ポンカンなどのミカン園がどんどん廃園になりつつある大浦でも、これが新たな特産品になりうるのだ。アボカドは収穫には若干手間がかかるがそれ以外はあまり手が入らず、粗放な管理が可能であるために人手もさほど要しない。かなり大きくなる木なのでハウス栽培が難しく、本州での栽培可能地域は和歌山など一部に留まるので、南薩の温暖な気候の優位性も生かせる。

こうして密かに期待しているアボカドであるが、調べて見ると鹿児島県は随分昔にアボカド栽培を振興し、そして失敗した歴史を持っている。昭和22年頃に地区ごとの特産品を作ろうという計画を立てた際、カンキツやビワが地区ごとに特産果樹として割り当てられたが、南部の高温地帯(たぶん離島のことと思われる)にはアボカドとレイシの増殖が割り当てられた。しかしこの計画は思うようにいかず、5年程度して雲散霧消してしまったようだ。

どうしてこの時にアボカド振興がうまくいかなかったのか、その理由は調べられなかったが、一つには戦後まもない頃にアボカドを食べる奇特な人がいなかったということがあるだろうし、食糧増産に邁進していた頃に、実をつけるのが6年以上も先という悠長な植物を植える気にもならなかった、ということもあるだろう。だが今ではアボカドの需要も大きく、今回植えたアボカドが6年後に実をつけたら、かなりの商品性を持つことは間違いない。問題は私の圃場の土壌があまりよくないので、ちゃんと枯れずに生長するかどうかである。粗放な管理が可能ということだが、時が満ちたら「南薩のアボカド」を新たな特産品として提供できるように、しっかり管理していきたい。

【参考資料】
『鹿児島県戦後農業史 上』1992年、鹿児島県戦後農業史編集委員会

7 件のコメント:

  1. さとちゃん2013年6月18日 10:23

    オリーブに引続きまたまた興味をもちました。
    アボカドは私もよく食べます。美容のために(笑)
    年月がいるんですね…。どうぞうまく行きますように☆

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    1. さとちゃんさん、

      コメントありがとうございます。女性はアボカドが好きな方が多いですよね。アボカドの持つ油脂成分はとてもヘルシーで体にいいそうです。楽しみにしてください!

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  2. 今月初旬に熊本から伺った者です。かぼちゃといろいろなお話、ありがとうございました。過去には鹿児島同様熊本も雑穀の生産量が多かったらしく、アワのたねを準備したのでペット用として今年トライしてみます。

    クックパッドにはアボガドのレシピが2万超もアップされていますし、アボガドも需要は大きいと思います。
    かぼちゃは、何も入れずに茹でて食べてみましたが、しっかりと熟成されていて美味しいと思いました。一般には皮の内側が硬すぎたり、逆に柔らかすぎて食べにくいものもありますが、頂いたものは皮がしっかりしてかつ薄く、果肉もホクホク感と甘さがバランスしていると感じました。家庭菜園でも作っていますが去年は他の作物に絡みついたり、今年は熟する前にキズが付いて腐ったりしてまともに作れません。
    マカオで食べたエッグタルトが印象に残っていたので、クックパッドにのっていたパンプキンエッグタルトを作ってみましたが、味は良かったです。見た目は生地が焼き縮みしてフィリングが大量に余ったり、失敗を恐れるあまり全般に焼きも甘くなりました。かぼちゃが乗るので焼き具合には注意を払う必要がありそうです。タルトはショコラや抹茶でも作れるしバリエーションは出せると思いました。。。
    http://cookpad.com/recipe/1553088

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    1. KAZさん

      コメントありがとうございます。見かけによらず(?)お料理好きなんですね…。エッグタルトなんて作ろうと思わないですもん。また、かぼちゃをお褒めいただいてありがとうございました。召し上がった方はみんな美味しいと言ってくださるのですが、使い勝手と価格とのバランスが問題でしょうね。グラム単価でいうとスーパーで売られているものと比べ特に高価ということはないですが、1個売りだと必然的に高く見えてしまいますからね。
      また、美味しいレシピがありましたら教えてください!

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  3. はじめまして、徳島県阿波市に住んでいる者です。少しの土地で生産性のあるものと思いアボガドを作ってみようと考えてます。初めてで不安があったりで図々しいと思いますが生産性、気を付けなければならないことなどを教えてくだされば幸いです。

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    1. コメントありがとうございます。徳島県ならば露地栽培ですか? 施設栽培であれば、根域制限をすることをオススメします! 露地栽培であれば、注意点などは栽培のハウツー本に書かれている通りですね。ただ、ハウツー本などには「手間がかからない。女性や高齢者でも管理できる」などと書かれているかもしれませんが、手間がかからないことはないです。確かに農薬散布の手間はほとんどないですけど、特に仕立て(樹形管理)についてはマメにやらないとだめですね(2週間に1回程度必要)。それから、品種選択ですが、気候にマッチしたものでないとダメです。耐寒性ギリギリの品種ですと「枯れはしないが成長も遅い(ほとんどしない)」という状態になりますから、耐寒性に十分余裕を持った選択を行ってください。例えば、栽培地の年間最低気温が-3度だったとすれば、-5度くらいまでの耐寒性がある品種を植えられることをオススメします。

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    2. 御親切にありがとうございました。
      夢に向けて1つ進めたように思います。

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