2013年12月3日火曜日

ヘーゼルナッツの木=ハシバミを植えてみました

今般開墾した土地に、仕事と趣味の間のようなプロジェクトとして、西洋ハシバミを13本植えた。西洋ハシバミという名前だとピンと来ないが、これはヘーゼルナッツを収穫する木である。

ヘーゼルナッツというと、ヘーゼルナッツ・ラテのように香り付けに使ったり、お菓子のトッピングになったりと、近年日本でもなじみが出てきた素材。ただ、ヘーゼルナッツがどんな形をしているのか、知っている人は少ないと思う。ヘーゼルナッツというのは、私もそのものを食べたことはないのだが、風味がよく栄養豊富なドングリなのだ。

この実をつけるハシバミという木は、約9000年くらい前のヨーロッパでは、圧倒的な優勢種として森を覆っていたという。日本が縄文時代の頃、ヨーロッパの森といえばハシバミの森だったのである。その後気候が寒冷化したため、カシワ類に取って代わられ、今では世界的生産地はトルコとなっている。

ゲルマン民族が入ってくる前にヨーロッパで栄えたケルト人たちは、このハシバミを随分身近に、そして重要なものと考えていたことは確実で、ケルトの伝説にはハシバミの話が残っているし、ハシバミの枝に神秘的な意味を付与し、水脈や鉱脈を探すのに使ったのだという(ダウジングのようなもの)。

また、減少したとはいえ近代以前のヨーロッパの森にはハシバミが多く、中世の農民の重要な食料だったようだ。ヨーロッパの古い話を読んでいると、ハシバミの実をどうしたとか、ハシバミの枝がどうだということが時々出てくるが、これがヘーゼルナッツのことであるとわかった時は随分意外に感じたものである。

例えば、シンデレラ(グリム童話版)では、シンデレラは、産みの母の墓前に挿したハシバミの枝がみるみる成長して、小鳥(妖精)が様々な願いを聞いてくれる舞台となる。どうやら、中世ヨーロッパの人々は、ケルト人から受け継いだのだろうが、ハシバミを不思議な力を持つ木と認識していたようだ。

ちなみに、日本にも種類は違うがハシバミ(榛)は自生しており、古くから食用とされたそうである。しかしそれよりも重要なのは、搾油し、今風に言えばヘーゼルナッツ・オイルを採ったことである。なんでも、灯明としての搾油が行われたのはハシバミを嚆矢とするらしく、7世紀くらいまでの朝廷ではハシバミ油が使われたらしい。堺の遠里小野(おりおの)は古代ハシバミ油製造の拠点だったそうである。

ハシバミはヨーロッパでも日本でも、古代社会において重要な役割を果たした植物といえる。だから栽培してみるというわけでもないが、まず日本にはヘーゼルナッツを生産している人がほとんどいないので、希少価値がある。輸入品に比べて品質はどうかというと心許ないが、面白い商材になりそうな予感がする。この西洋ハシバミ、結実するまで長い時間がかかる、というのが大きな欠点らしいが、何年後に収穫できるだろうか…。

8 件のコメント:

  1. おはようございます。1年経過したヘーゼルの成長はいかがですか?
    私も、10本ほどヘーゼルを植えたいと思っています。
    苗木と苗木の間はどれくらい開けたのでしょうか?

    どんなふうに育っているのか興味津々です。

    jiji

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    1. jijiさん

      コメントありがとうございます。ヘーゼルたちはですね…、植えたときとほとんど大きさが変わっておりません! 枯れたのは1本もないんですが、総じてあまり元気もないようです。おそらく原因は排水が悪いためと思われます。植えられる際には、排水のよいところがよいでしょう。

      苗木と苗木の間隔は5mとっていますが、そんなにいらないですね。多分4mで十分です。さほど大きくなる樹ではないので、3.5mくらいでもいいかもしれません。

      ヘーゼルは割と繊細な樹で、ストレス(日光不足など)に弱いように感じます。除草をまめにして太陽の光をたくさん浴びせるようにし、丈夫な支柱に結束して風で揺れないようにするのがいいと思います。もし植えたらまた教えてくださいね!

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    2. 風狂さん

      返信ありがとうございます。

      やっと、苗が届きました。
      アメリカンフィリバーとヨーロピアンタイプのケニッシュコブ、コスフォードという3種類 合計10本を植えてみました。

      水はけの良い場所がなくて・・・・。
      仕方ないので、くんたんやらバーミキュライトなど土壌改良材を混ぜなから植え付けてみました。

      早く大きくなると良いですね。
       

      jiji

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    3. 本格的ですね! 良好な成長をお祈りしております。

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  2. 風狂さん はじめまして ヘーゼルナッツを二本育て3年になるものです。
    庭に植えていますので間隔は1mほどしかありません。
    買ったときは25cmほどでしたが今高さは1mと80cmになっています。
    今 丸い芽のいくつかに 2mmほどの赤いひげのような物が数本出ている物があります。これは花なのでしょうか?いつもの葉の展開とちがうような。
    当方埼玉の南になります。水はけはそんなに良くないとおもいます。
    今年の春から4年目にはいりますが、なかなか大きくなりませんでしたが昨年一気に伸びました。日当たりは良好です。
    もう少し様子を見てまた報告いたします。

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    1. 丁寧にご教示いただきましてありがとうございます。実は、私が植えたハシバミは、植えたときとほとんど大きさが変わっておりません。土壌(排水)がちょっと悪すぎたようですから、少しずつ土壌改善していきたいと思います! というわけで、花芽は全く見たことがありません。3年目に一気に伸びたということですが、私も気長にやっていきたいですね。またの報告をすごく楽しみにしていますね!

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  3. 丸い芽に赤いひげが出ていたのは、雌花だそうです。
    でも雄花はありませんから、今年は実は成りませんね。
    小さな木ですが、来年が楽しみです。
    木が充実するよう世話をしたいと思います。

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    1. そうなんですね! いやはや羨ましい。私のヘーゼルたちは植えたときより小さくなっているくらいで、全然元気もありませんので。雌花が咲いたら雄花も咲きそうですよね。報告ありがとうございました!

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