2013年5月12日日曜日

「加世田のかぼちゃ」のマンネリズム

先日、「平成25年度 春かぼちゃ出荷協議会」及び「加世田のかぼちゃ出発式」に参加してきた。要は、特産の加世田のかぼちゃの出荷セレモニーである。

そこでは、東京等からの市場関係者が招かれ、「加世田のかぼちゃ」を巡る市況が説明されるとともに、JA南さつまからは「今年度もガンバロー」的な檄が飛んだわけである。

市場関係者からの説明を要約すると、
市場での加世田のかぼちゃの評価は高く、販路が確立していることにかけては他に類を見ない商材。ここ十年来、年々出荷量が減っていることに憂慮しており、足りないくらいなのでどんどん出荷してもらいたい。
というところだった。 それを受けて、JA南さつまの方では「みんなで頑張りましょう!」としていた。だが、市場関係者からの説明にはあまり具体性がなく、いつ、どのようなものがどれくらい足りない感じなのかが不明確で、本当に足りないのかどうか疑問に思った。「販路が確立」というのも基本的には素晴らしいことだが、(生産量が減っているので当然とはいえ)反面、新規顧客が開拓されないということでもある。

日頃お世話になっているJAさんに対して批判的になるのも本意ではないが、全体として感じたのは、覆うべくもないマンネリズムである(初めて参加したにも関わらずすいません)。生産量が減少しているというのも、作業が大変な割には単価が低迷しているということがあると思われるので、いくら安定的に捌けているとはいえ、将来に対する漠とした不安はぬぐえない。

JA南さつまにとって、かぼちゃは販売事業の売り上げの僅か1.7%を占めるに過ぎない零細事業部門であり、これにあまり力が入らないのは当然であるし、かぼちゃ販売が低迷したからといって地域農業に重大な問題が生じることはありえないが、せっかくのブランド野菜なのだからこのマンネリズムは少しもったいない。

鹿児島ブランド取得第1号ということで20年来の実績があり、JAや関係者にしてみれば「何を今さら…」と思うかもしれないが、知名度向上の余地はもう少しあると思う。カボチャのゆるキャラを作れとか、「ウチゴハン」に取り上げてもらおうとか言いたいわけではない。だが、例えば鹿児島に半在住の料理研究家である門倉多仁亜さんとコラボするとか、予算がなくてもできる工夫はあるのではなかろうか。そういう活動が無理でも、せめて経済連のHPに「加世田のかぼちゃ」のページくらいは作るべきだ。このご時世、ネットに書かかれていないことは、存在していないも同じと見なされるのだし。

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