2012年7月21日土曜日

病害虫・農薬使用の基礎知識

南九州市の頴娃農業開発総合研修センターで開催された「農業基礎講座」に参加した。初回のテーマは病害虫・農薬使用についての基礎知識について。

こういう研修は、なんとなく思っていたことが明確になったり、独学だとよくわからない業界の「常識」について学べたりするのがよい。説明事項は全て常識的なことと思われたが、大変参考になった。というわけで、重要と感じた点を備忘のためにまとめておく。

(1)まず、病害虫の防除の基本的考え方は、病気は事前予防が、害虫は初期対処が基本だということだ。つまり、病気を予防する薬剤散布は防除暦に従って行う必要があるが、害虫の場合は圃場を観察し、一定以上の害虫が発生した場合のみ行って初めて効果がある。
(2)よって、害虫予防を効果的に行うためには、害虫の発生に大きな影響を及ぼす温度や降雨などの天候をよく把握し、圃場の観察を行い、薬剤散布のベストタイミングを判断することが必要となる。
(3)圃場の観察は、印象論ではなく「葉何枚あたり害虫に冒された葉が何枚ある」などデータで把握するとともにそれを記録し、防除の効率や正確性を向上させていくことが有効である。
(4)そのためには、どのような害虫がどういう性質を持ち、どのような被害を及ぼすのかを知り、圃場の見方を養うことが必要である。
(5)また、効果的な防除のためには薬剤の性質を理解するとともに、「農薬登録情報提供システム」などを用い、適正な薬剤使用をしなくてはならない。
(6)さらに、薬剤のみに頼らず、物理的手段・生物的手段も用いて総合的な防除を行うことが重要だ。

講義を通じてのメッセージの一つは、「防除歴に機械的に従って行う”カレンダー的防除”は非効率的」ということだ。しかし、カレンダー的防除にならないためには、圃場を観察し防除適期を判断する目を養わなくてはならない。

それは一般論としてはわかるが、個別作物でこれを考えると、結局「いろいろ試行錯誤しながら勉強してください」ということなるのだろうか…?

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