2012年4月21日土曜日

怖ろしいほど細かく、非効率的なゴミの分別

神奈川県から移住してきて、とても驚いたことがある。それは、あまりに南さつま市のゴミの分別が細かいことだ。

分別が非常に細かいため、ゴミの分別のポスターが2枚に渡ってしまっている。冷蔵庫の側面に張り切れないほどの分別とは、いかがなものか。

また、分別の方法に例外処理が多く、その材質だけでは処理の種類が決まらないという、非効率的な分別法にも驚いた。そのうえ、指定ゴミ袋には氏名を書かなければならないのだから、怖いくらいである(なぜそんなに厳格なのだろう…?)。

こんな細かい分別をする手間をかけられるなら、もっと効率的に資源を節約する方法があるだろうと思ってしまう。細かく分別しているため、約30戸で年間4万円ほどの資源物からの収益もあるようだが、費用対効果を考えれば損しているのではないか。

なぜこのような手間のかかる分別をしているのかというと、田舎の方が環境意識が高いということではなくて、所謂「容器包装リサイクル法」のせいである。同法では、市区町村は容器包装を分別回収する義務がある。そのため、同じ材質(例えばプラスチック)でも容器として使われていたものなのか、そうでないのかによって分別回収する義務の有無が異なり、処分法が違っているのである。

しかし、このような法を四角四面に適用した分別法が非効率的なのは明白である。分別回収をするにしても、元来の用途ではなく、材質で分ける方が圧倒的にわかりやすい。また、容器包装として使われていたかどうかに関係なく、リサイクルできるものはそうする方が態度が一貫している。段ボールやお菓子の容器のボール紙は回収するのに、書類などの紙ゴミは回収しないというのは、奇妙である。

都会のゴミ収集はこの法律をあまり厳格に守っていないから、今まで同法の存在をあまり認識していなかったが、法を真面目に守ると社会が非効率になるのでは、行政への信頼が低下するのも当然と思った。


【蛇足】
容器包装リサイクル法は、悪法と言われている。悪法と言われる所以は、ざっくり言えば「市区町村には分別回収する義務はあるが、それをリサイクルする義務はなく、事業者側にリサイクルする義務はあるのだが、事業者は分別回収されたゴミにはなんの責任もないため、結局リサイクルが進まない」ということにある。

また、リサイクルは分別収集・再生品化に高いコストがかかり、エネルギー的にも効率的でないことが多い。省エネルギー・省資源を目的とするなら多くのリサイクルは不適で、簡易包装など最初から余計なものを作らない方が遙かによい。そのため、本当に環境に配慮するのであれば、分別回収などという余計なコスト・エネルギーをかけるのではなく、包装の簡易化の方こそ法律化すべきという議論もある(そのため、同法も改正され、レジ袋削減の促進などが導入されはしたが、あまり意味はなかったと思う)。

私自身も、分別はエネルギー的に無駄で、ビンやカン、紙といったリサイクルしやすいものだけ資源ゴミとして、(分別が非常にやっかいな)プラスチックゴミは燃やせるゴミとしつつ、高性能な焼却炉で燃やした方が結局環境にはいいと思っている。同法は対処に大きなコストがかかるわりには資源の節約に貢献していないことから、全国の自治体から改正の要望が出ていると思うが、環境省等はどのように対処するつもりなのだろうか。

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