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2016年5月26日木曜日

「南薩のナッツ園」構想

昨年に引き続き、今年も開墾をしている。

今切り拓いているところは、昨年開墾してアボカドを植えた隣の荒れ地(茶園跡)。畑をどんどん広げたい、という気持ちは今はそんなに強くないが、この荒れ地からイノシシとウサギがたくさんやってくるということと、しばらく経って植えたアボカドが大きくなるとパワーショベルをこの荒れ地に入れるのが難しくなるので、今のうちに切り拓いた方が後が楽そうだ、と思って土地を借り、作業に取りかかった。

しかしもう5月である。昨年も開墾作業をしたのは5月だが、今年も結局ここまで引き延ばしてしまった。本来、開墾というのは冬の仕事である。でも、私の場合冬は柑橘の仕事で忙しく、開墾のような仕事はどうしても今の時期になってしまう。もう梅雨入りする時期なので、今のシーズンでは開墾が終わらないかもしれないが、せめてキリがいいところまでは終わらせたいと思う。

ところで、実は切り拓いた後に何を植えるかが完全には決まっていない。農業委員会には、アボカドを増殖するということで申請を出していて、事実アボカドは20〜30本くらい植えたいと思っているが、未だ収穫できるかどうかもわからないアボカドばっかり植えるのもリスクがあるし(なかなかうまくいっていないのが実態)、どうせリスクがあるのなら別の面白い取組もしたい。

というわけで、今考えているのが「南薩のナッツ園」構想なのである。

私はアーモンド栽培にもトライしていて、これもあまりうまくいっていない。「あまり」どころではなく、アーモンド栽培はかなり難しく、収穫まで漕ぎ付けられるか不透明な状況。でもいろんな人が関心を持ってくれて、応援もしてくれているので、このままでは終われない! とも思っている。そこで、アーモンドだけでなく、この際他のいろいろなナッツ類を植えてみて、「ナッツ園」を作ったら面白いんじゃないかと思ったのだ。

苗木を準備したのは、「マカダミア」、「ペカン」、「カシグルミ」の3種類(5本ずつ)。(このほかに追ってアーモンドも増殖する。)

「マカダミア」はハワイのお土産で定番であることからもわかるように熱帯の植物であるが、意外に耐寒性もあって指宿には大木になっているのがある。また収穫以外はさほど手間もかからないと言われている。今回植えてみるのは「クーパー」という品種である。

「ペカン(ピーカン)」は日本ではあまり馴染みがないが、アメリカでは我が国における落花生のようにおつまみ的に食べられているナッツ(らしい)。アメリカに留学していた友人が栽培を勧めてくれた。それで調べてみたら、収穫までにかなり時間がかかる植物で、実がなるまでに10年以上かかるのだとか。10年以上無収入というのは経済的にかなり厳しいが、そういう厳しいものこそやる価値もある(他にやる人がいないから)。

私もこれまで食べたことがなかったので、先日「Merry lab.」というところのローストナッツを食べてみた。クルミに似ていて、クルミよりもっと脂質を増やしたような味だった。こういうのが出来たら売れるかも! と思って栽培してみることに決めた。

「カシグルミ(菓子胡桃)」は、いわゆる皆さんが食べているクルミである。日本だと長野とかちょっと寒いところで栽培されているので、南薩の暑い気候に合っているかはよくわからない。でもクルミが採れたらお菓子作りにも使えるし、苗木もそんなに特殊なものではないので、気軽な試行錯誤のつもりでやってみたいと思う。

このほか、以前植えてみたがあんまり生育しなかった「ヘーゼルナッツ(西洋ハシバミ)」も植えるかもしれない。 以前定植したところは田んぼの跡地で土壌がよくなかったので、それで生育が不調だったのだと思う。今回は段々畑なので排水もよく、土質も勝れているようなので生育が期待できる。でも、ヘーゼルナッツというのは日本ではなかなか収穫までいかないらしくて(というのは、これも収穫までに長い時間がかかる植物)、まともに収穫している例を知らない。どうなるかわからないが、毒を食らわば皿まで、の気持ちでやってみたい。

この「南薩のナッツ園」構想には家内からも「まだ懲りてないの」というお褒めの言葉(?)をいただいたくらいである。経営が順調でないのに冒険的な作付をするのは一般的にはあまりいいことではないが、そういう無鉄砲をするのは楽しいことでもある。結果が出るのは(出るとして)10年後以降。気長にやっていきたい。


2016年3月22日火曜日

縁あってアーモンド栽培がちょっとだけ拡大

アーモンド栽培の記事は、「南薩日乗」の中でも特に反応(アクセス数・コメント)がある。日本でアーモンド栽培に取り組んでいて、それをネットで発信しているところはごく限られているためだと思う。

【参考】アーモンドは無様に失敗中(2015年11月)
【参考】アーモンドはじめました(2014年5月)

そのお陰で、「アーモンド畑を見せて欲しい」という人も結構いる。正直、栽培がうまくいっていないので、実際に見たらガッカリすると思うが、うまくいっていないことも含めて参考になったらと思う。

先日は、突然連絡があって、「アーモンド栽培がうまくいかないのは台木のせいだと思う。自分は苗木屋だからアーモンドの穂木を送ってくれれば適した台木に接いでみる」という話がきた。ブログへのコメントならまだしも、わざわざ電話をくれるなんてただ事ではないし、そういう縁は大切にしたいので早速穂木(ほぎ=新芽がついた枝)を取って送った次第である。

それでさらに、穂木を送ってくれたお礼として、ダベイという品種のアーモンドと黄金桃という受粉用の桃の木の苗木も送って下さった! わざわざ山形から! こちらからお礼しないといけないくらいなのに恐縮である(もちろん、お礼の柑橘を送りましたが)。

というわけで、送られてきたアーモンドも定植したので、アーモンド栽培はちょっとだけ拡大である。この機会に、これまでの反省を込めてアーモンド栽培のポイントをまとめてみたい。(あくまで南薩の気候における栽培です)
  • 最重要なのは排水。日当たりも重要だが、それよりも排水がよいところを選ぶこと。大雨が降ったら水が溜まるようなところは絶対に避ける。
  • 風には弱いので、台風対策をしっかりすること。丈夫な支柱にくくりつけるべし。
  • 土壌は、よく団粒化して通気性がよいところが理想であり、弱アルカリくらいがよさそうである。(私の圃場は粘土質なのでよくない)
  • 梅雨時が試練。梅雨に入る前に下草をキレイに刈って、カタツムリ対策に万全を期すこと。
  • 雨量の少ない地域の方がうまく栽培できると思う(年間降雨量1000ミリ程度)。
まだよくわかっていないのは、肥料について。私の考えでは、果樹はあまり肥料をあげない方がよいと思うのだが、アーモンドの苗木の場合はどうあるべきかよくわからない。肥料を上げた方が初期生育は早いような気もするが…。肥料の実験以前に、それ以外の要素で生育が不調なので実験のしようがないところである。

ともかく、アーモンドの着目度は高く、これが繋いでくれた縁も既に多い。今のところ全然うまくいっていないが、これでは終われないので、まだまだ悪あがきを続けてみたい。それどころか、詳細はまた別に書くが、アーモンドだけでなく、これからナッツ系を充実させていって、ナッツ園を作っていきたいという計画もある(たぶん、そういうコンセプトでやっている農家は日本でも数少ないはず)。

というわけで、今後のアーモンド栽培にも乞うご期待!(今までが失敗続きなので、期待する要素があまりないですけど、潰滅しない程度を期待してください!)