2016年6月19日日曜日

広葉樹のダイニングテーブルを自作

広葉樹のダイニングテーブルを自作したので自慢したい。

貧乏人のくせに広葉樹のテーブルなんて贅沢だ、という気がするが、古民家である我が家はあまりにも湿気が溜まりすぎていて合板のものはすぐにかびてしまう。これまでは安物(もちろん合板)の小さなテーブルで食事を採っていて、梅雨時期になると側面がふわっとカビで覆われてしまい衛生的でなかった。

子どもたちもだんだん大きくなってきて小さなテーブルは手狭になってきたし、思い切って無垢材でやや大きめの(でも一般的なダイニングテーブルよりは一回り小さい)テーブルを自作することにしたのである。

で、できたのがこれだ(写真がよくなくてすいません。実際の色は上の写真の方がよく再現されてます)。

木材はタモを選んだ。タモは広葉樹の中では安価で加工もしやすく、通販で買いやすい。今回は木材フリーカット通販のマルトクショップで購入した。

木材の材料価格は3万円弱。ツーバイフォーのSPF材で作ったらその価格は数分の1になるわけで、最後までSPFにするかどうか迷ったが、SPFの仕上げ精度はイマイチで天板部分が平面にならないし、スキマもかなりできることが見込まれるので結局タモを選んだ。

天板の側面は、木材の切り口が露出しないように框組(かまちぐみ)風に囲ってみた。今回一番苦労したのはこの構造。丸ノコは普通に切るなら0.2mm程度しか誤差はないが、このように斜めに切るとかなりズレが大きくなる。たぶん1mm近く誤差が出たと思う。両端で1mmずつの誤差が出たら、最大全体で2mmもずれる。テーブルに2mmのスキマがあったら実用上問題なので、スキマは砥の粉(とのこ)を木工用ボンドで溶いたもので埋めておいた。でも今考えてみると、木工用のパテを使った方がよかったかもしれない。

他のところはだいたい上手にできて、切り欠いた部材もキッチリ嵌ったし、強度もそれなりのものになっている。

DIYの本には、「ホームセンターでカットして貰ったらよい」とか、「インパクトドライバで留めれば簡単」みたいに書いてあるが、それだと雑な作りになってしまうので、やはりノコギリとノミの加工をしっかりできるようになることがDIY上達の近道な気がする。

 裏側はこんな感じ。

天板は裏から木ネジで留めているだけ。この木ネジがくせ者で、広葉樹は堅いので最初に普通の木ネジを使ったら頭のところでねじ切れる事態が続出。下穴を開けていてもネジの長さが40mmを超えるとトルク(力)が掛かりすぎるようである。

なので、やっぱり広葉樹の場合は高トルク用のスリムネジを使わなくてはならなかった。これは、細身で頭の部分にネジ山がない、堅いステンレスでできたネジ。DIYをしているとこういう細かい所が勉強になる。

足の部分は、写真でははっきりとわからないが八の字にやや広げてみた。角度は85度くらいだったと思う。こういう加工は難しいようでいて、治具(じぐ:作業位置を誘導するために使う道具)を使うとさほど難しくない(でも設計段階でよく計算してしっかり墨つけしておくことが大事。現場合わせでやろうとしても素人の場合うまくいかない)。

表面の塗装は、工務店さんに教えてもらった「クノス」という、こういう家具を作る際の定番らしい自然塗料を使った。これは浸透性のあるオイルで、ニスみたいな人工の樹脂に比べたら耐久性や撥水性は劣るが木の風合いを引き出すのに勝れていて、実際これを塗ったら一気に高級家具みたいになった。

材料費は全部で3万5千円くらいだろうか。こういうテーブルを家具屋で買うと、だいたい10万円くらいすると思う。素人の仕事だからやや割り引いたとしても、8万円クラスのテーブルができたと自負している。

これで冒頭写真のような雰囲気のある写真も撮れるようになったことだし、「南薩の田舎暮らし」の商品写真にも活用出来そうである。何より、食卓の雰囲気が明るく広々となり、生活の充実度がアップした。もちろんカビも来ない(最も重要!)。

これまでの、我がDIYの最高傑作である!

【参考】
木工のDIYは最近センスよく作れるいい参考書がたくさん発売されているが、実際にちゃんとしたものを作ろうと思った時には意外と役に立たないことが多い。木工を趣味にしている知人から教えてもらった『手づくり木工大図鑑』という本は、地味な技術を淡々と語っていて、すぐには役立たないしちょっと高価だがオススメである(中級者を目指す人向け)。

2 件のコメント:

  1. 素敵ですね。家具作家さんとしても!どうでしょう(^^)

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    1. 需要があれば(近所の人になら)つくります!

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