梅雨である。本当に鬱陶しい。
鬱陶しいだけでなく、家中が黴(カビ)だらけになってしまう。畳の茣蓙は新しくしたので多少黴が生えるのは覚悟していたが、掃除しても3、4日でまた生えてくるというのは想像以上だ。
それだけでなく、もう黴が生えそうなものにはすべて生えてくる…というくらいあらゆるものが黴だらけになる。写真は、掛けてあった洋服が黴た様子だが、ブルーチーズみたいに全体に黴が生えている。これ、洗濯したら復活するだろうか…。
ところで、現代の木造住宅は機密性が高い上、外気との温度差が大きいので結露しやすく黴が発生しやすいと言われるが、うちは築百年近い古民家である。多少リフォームしているとは言え、基本構造は変わっていないのに、こんなに黴が生えるのは釈然としない。これまで住んできた「機密性の高い住宅」でもこんなに黴が生えたことはないのだ。
そもそも、伝統的日本家屋が黴に強い、ということは本当なのだろうか。高温多湿な日本の夏によく適応して風通しをよくしているとは言え、それが黴に強いということにはならない。例えば、 伝統的な保管庫、つまり「土蔵」は締め切りが基本であり、風通しをよくするよりもむしろ土壁による湿度調節機能によって黴を防いでいたと考えられる。
これは考えてみれば当然で、梅雨時は外気も過湿状態にあるわけなので、いくら換気をしても湿度が下がるわけではない。気温が高くなった時の雨上がりなどは、外気の方がムワっとして湿度が高いくらいだし、機密性が低いから黴が生えないというわけではないだろう。
ただ、空気の滞留するところには黴が生えやすいのは事実だ。つまり、家の風通しをよくすれば、黴の生える箇所は確かに減る。だから伝統的日本家屋では黴の生えるところは比較的少なかったのだと思う。ただ、それは黴対策=湿度対策が出来ていたからではなく、単に環境が外気と似ていたからであり、「日本家屋の知恵」などと誇るべきものではない。
そして、桐箪笥のような、それ自体に湿度調節機能が存在するような家具が発達したのも、家自体は黴に弱かったからではないかという気がする。つまり、伝統的日本家屋は、普通言われているのとは違って大して黴に強くなかったのかもしれない。ということは、我が家の黴との戦いは、これからも毎年負け戦になるのだろうか…。
風狂さま
返信削除イヤになる梅雨が早く明けないかと梅雨明けを待つ谷山の老人です。
むしむしの湿気などは科学の力で湿度調節ほか快適な暮らしは あまりある生活が人間の知恵で優先されてきて、まだまだ人間中心の科学は進歩するのでしょうね。
梅雨が終わればくそ暑い夏が来ます、春夏秋冬ぶつぶつ言いながらお互い暮らしましょうよ。
追太郎さま
削除コメントありがとうございます。
本来の伝統的日本家屋ですと、要所に珪藻土の土壁が使われていて、それで湿度調整をして、黴の繁殖を抑えていたのだと思います。これが本当の、人間中心の科学でしょうね。
建物に対する有効な黴対策は、建物の根本的問題を解決する必要が有りますので
返信削除物理的、金銭的に不可と考えます。
「梅雨時の黴対策」という事で考えますと、発泡スチロールの活用です。
夏の時期、スーパーマーケット、ホームセンターに無料で貰えるリンゴの発砲スチロールが置かれております。梅雨の時期だけでも黴が発生する品、困る品を発砲スチロールで保管しておくと黴の心配は全く有りません。当店はリンゴの発泡スチロールだけでも100個有ります。もちろんすべて無料で集めた品です。
ポイントは一つ!蓋をしっかり閉めておく事だけです。
又梅雨時期もですが、湿気が困る品
たとえばコピー用紙とか、予備のトナーとか、高価な印刷用リボンとか
は「動いていない?壊れている?冷蔵庫」に一年中保管しております。
当然で電気はつないでおりません。こうすると湿気の心配皆無です。
少しでも参考になれば良いですが。
黴も湿気も広い心で受け入れる事が一番大事です(笑)。
ご教示ありがとうございます。
削除発泡スチロールの活用ですね。これは思い至りませんでした。来年は試してみたいと思います。
あと、実は家にも稼働していない冷蔵庫があるのですが、その中も黴びてしまったのです。びっくりしました。冷蔵庫の中は黴びないとばかり思っていたものですから。機種によって機密性に違いがあるんでしょうね。少なくとも家にある冷蔵庫はカビに弱かったです。
ともかく参考になりました。これからもいろいろご教示いただければ幸いです。
冷蔵庫の黴の原因は使わなくなった冷蔵庫をそのままの状態で
削除置いていたからだと思います。
使わなくなった冷蔵庫を活用される場合
外に出し最低1週間はすべてのドアを全開にして
天日干しする必要があります。
これで中に溜まったいた水分が吐き出されます。
ドライヤーの活用でも可です。
又冷蔵庫はそのままの状態では完全密閉では有りませんので
1、冷蔵庫内部のファンを取り外して、又は取り外さないで
2、冷蔵庫下の水滴が落ちる所
1と2を
ガムテープなどを活用して「内部を密閉状態」にしてから
活用する事が一番大事なポイントです。
それと室内の黴ですが
黴の出やすい所(畳とか壁とかお風呂)のふき掃除の際
化学薬品を使用するのを出来るだけ避け
「重曹」と「木酢液or竹酢液」の使用の掃除をお勧めします。
重曹はアルカリ性ですので黴の発生しにくい環境を作ります。
「木酢液、竹酢液」は殺菌能力の活用です。
すべて実践済みですので。ご参考になれば幸いです。
ご教示有り難うございます。
削除冷蔵庫の件、仰る通りです。そのままにしてました。1週間も天日干ししなければならないんですね。またファンと水滴が落ちるところを密閉するということも全然頭にありませんでした。非常に参考になりました。室内のカビ掃除のポイントもありがとうございました。
家内にも伝えたところ「ぜひ実践してみたい!」ということでした。なるほどですね。