先日、「平成24年度南薩地域ニューファーマーの集い」なるものに参加した。
これは、南薩地域振興局(県の出先機関)が主催(※)するもので、今年度に新規就農した者に対し相互の交流や各種制度などの情報提供を行うもの。対象者(つまり新規就農者)は南薩地域で30名。内訳は、枕崎市2名、南さつま市6名、南九州市22名で、かなり南九州市(頴娃、知覧、川辺)に偏っている。
なお作物の内訳で見ると、さつまいもが12名で一番多く(意外だ)、茶が11名、野菜6名、水稲4名と続く(以下略)。なお新規就農者が南九州市に偏っている理由は、お茶の生産農家の後継者数がこの地域に多いためである。何しろ、全国2位の生産量を誇る鹿児島茶だが、南薩地域はその最も大きな生産拠点であるのだから、これは当然といえば当然だ。もちろんお茶を巡る状況は厳しいものがあるとはいえ、新規就農者の雰囲気を見る限り、先行きが暗いというわけでもなさそうだ。
自己紹介で一言ずつ抱負を述べる場面があったが、多くが「規模拡大を目指したい」「安心安全な農作物を作りたい」「経営の安定を図りたい」のどれかに言及しており、それだけで近年の農業を巡るトレンドを垣間見る思いがする。ちなみに私は「山を活かした農業ができれば」と発言し、今思えばやや茫漠としたコメントになってしまった気がする。
集いでは、県が設けている制度である指導農業士・女性農業経営士・農業なんでも相談員が紹介されるとともに、南薩地域における農業青年クラブも紹介された。特に、そのうち旧頴娃町のKEファーマーズからは、九州・沖縄地区青年農業者会議において鹿児島県代表として発表された茶の商品開発プロジェクトのプレゼンテーションも行われた。
全体を通して心に残ったのは、「農業は、絶対に一人ではできない。仲間と一緒に農業をしなくてはならない」というメッセージだ。新規就農者はほとんどの面でベテランに劣るなか、土地や設備などに関してはむしろ厳しい条件でやっていかなくてはならないので、助け合いは必須である。私自身としても、いろいろな方に支えられながらなんとか農家としてやっていこうとしているところなので、初心を忘れず、周りの人達に感謝しながら、また少しでも役に立てるように頑張りたいと思った。
※正確には、「南薩地区指導農業士会」「南薩地域農政推進協議会」「南薩地域振興局農林水産部」の共催。
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