庭のバンマツリが満開である。
このあたりの庭には、よくバンマツリが植えられている。温暖な気候でよく育つこの花木は、丈夫で生長が旺盛、そして香りがよいことから、明治期に南米から導入されて以来、人々に愛されてきた。
バンマツリとは「蕃茉莉」で、外国のジャスミンの謂いであり、実際、ジャスミンの花以上にジャスミンっぽい匂いがするが、両種は全くの無関係である。
ところで、バンマツリの花はスミレ色で咲き、しばらくすると藤色となり、最後には白い花となる。この色合いの変化が楽しめるのもバンマツリの魅力である。この色が移ろっていく性質から、英語名は「Yesterday Today and Tomorrow」という。
昨日と今日と明日で花の色が違う、そういうことでこのような詩的な名前がついたのだろうが、ネーミングセンスとしては、生硬な感じが否めない。一部には、もっと親しみやすい名前にした方がいいという議論もあるようだ。
ちなみに、バンマツリには毒(サポニン、アルカロイド等)があり、服用すれば幻覚を催すという。この性質を利用し、バンマツリの仲間は南米ではシャーマンにより古くから薬として使われてきた。そして現代でも樹皮をパウダー状にしたものが煎じ薬として売られている。これはリューマチに効くということだが、幻覚性があるのなら、これをよからぬ目的に使う人もいるような気がする(当然ながら、日本では薬品として認められていないので服用しないように…)。
0 件のコメント:
コメントを投稿