背の低い雑草はあえて残す下草刈り |
というわけで、ポンカン園の下草刈りをしているのだが、よくわからないのは「正しい下草刈りの仕方」である。
周りの方が家の周囲や田んぼの畦を刈っているやり方を見ると、地際まできれいに刈り揃えていることが多く、これはこれで工芸的美しさがあってよいが、果樹園の林床の場合はこのようなやり方が適切なのかどうか。
というのも、果樹園の理想の林床は、全く雑草がない状態ではなくて、背の低い雑草で覆われている状態だからだ。林床に下草が全くないと土壌が流出しやすく、また土中の水分が蒸発しやすくなってしまう(平地で灌水設備があるなら関係ないが)。さらに、雑草が生えていた方が土壌中の微生物も多く、土が肥沃になるという。
とすれば、背の高い雑草は除去すべきだが、背の低い雑草はむしろ大切な存在なので、実は刈るべきではないのではないか、という気がするのである。
そんなわけで、背の低い雑草で覆われた部分はあまり刈らないようにしているのだが、このような下草払いを続けていれば、理論的には、背の低い雑草で林床の多くが覆われ、背の高い雑草があまり生えてこないという状態になる。そうなれば、下草払いの手間も減るので一石二鳥となるはずだが、本当にそんなにうまくいくかどうか…。
なお、このように果樹園の林床にあえて草を生やす農法のことを「草生栽培」という。最近では、あえて素性のよい雑草の種を播くということも広まっており、例えばミカン園ではナギナタガヤという植物の草生栽培が愛媛などで行われている。
そういう植物の栽培も含め、どうしたら下草払いの手間が省けて、さらにポンカンにもよいのか、私なりにいろいろ試してみたい。
こんにちは。えびの人です。
返信削除今朝早くから、田んぼ、畑などの下草刈りをしました。
この時期になると、老齢の母が「草刈りをしろ」とうるさく言うのです。これから、ほとんど毎週末は草刈りをすることになるはずです。
私の下草刈りの仕方とはと考えると、地表ギリギリまで刈らないとすぐに草が生えてくる!という、科学的根拠のありそうな、なさそうな、母親のいいつけにしたがってのことです。
それと、地面が見えるぐらいまで刈らないと、いい仕事をしたと感じられないからかもしれません。また、他人の目からもキレイな仕事をしたと思われないからかもしれませんね。
私は40代のサラリーマンで、幼少のころから農業(兼業農家)の手伝いをしてきましたが、自分の周辺の農家は感覚とか慣習、目分量で仕事をしてきたと感じていて、小さなことにもやはり理屈というか根拠は必要だと思います。
個人的には、世の仕事の中で、農業経営はかなり難しい仕事だと考えますので、これからもいろいろと問題提起をいただこうという視点でもブログを拝見させていただきたいと思います。
いつもコメントありがとうございます。
削除私の父も、えびの人さんのお母さんと同様で、地表ぎりぎりまで刈らないと気が済まないタイプですね。確かに、地表ぎりぎりまで刈らないと、すぐに草が生えてくるのは事実ですが、裸地では背の高い、生長の旺盛な雑草が優勢で生えてくるので、草とのいたちごっこになります。
本文に書いたように、背の低い草が優勢になるようにしてやれば、いずれ草刈りの手間や回数は減るはずです。特に半日陰では有効と思います。日当たりのよいところだとあまり変わらないかもですが…。そういう検証はこれからやってみて、有効性を測りたいと思います。
私は、生来理屈っぽく、まずは理論から入るような所があり、それは短所でもあるのですが、このブログがお役に立てれば望外の喜びです。ありがとうございます。
えびの人さん
返信削除私は退職後70歳からタイで農業を始め、主に果樹をいろいろ植えて楽しんでます。今年で3年です。始めた当初は手で下草刈りをしてました。下草刈りは根まで取り去るものと思ってました。しかし果樹の本数が増えるに従い自分でやり切れなくなりました。そして近くのタイ人に頼むようになりました。驚いたのは草刈り鎌の柄が1メ−トル近くで、鎌を振り払い下草刈りをします。根は残したままです。