筍の時期が来た。
4月1日に、今年初めての筍を掘った。例年に比べると少し遅いらしい。今年の冬は寒かったので、生育が遅れているようだ。
うちは、ごく僅かな面積ではあるが竹林を所有している。それでも、筍は毎日のように出てきて、3日くらい放置するとすぐに食べられなくなるので、しょっちゅう竹林に行って掘る必要がある。
すると、我が家だけでは消費しきれないくらいの量が採れるので、近所の方におすそわけすることになる。いつもおすそ分けをもらってばかりなので、うちから差し上げられるようなものは、今のところ、この筍くらいだ。でもこれで、少しは普段の恩返しが出来るかもしれない。
というのも、南薩のこのあたりは竹林が少ない地域なので、筍は割と希少性があるのだ。
竹は時に「史上最強の植物」などと言われ、山林を浸食するやっかいな存在と見なされるが、実は地下水が豊富でないと生育しないという決定的弱点がある。そして、このさつま市大浦町は、保水力のあまりない岩山に囲まれているために、どうやら地下水が豊かでないらしく、あまり竹が生育していないのだ。
ちなみに、北薩の方に行くと、山林を放置するとすぐに竹林化するのが問題になるほど竹林生育に適しており、筍の生産も盛んだ。あまり認識されていないが、鹿児島県は竹林面積が日本一で、筍の生産量も日本一なのである(ときどき福岡県が1位になるが)。
竹林というと京都が有名だが、竹は南方由来の植物なので、生育に暖地が適しているのは当然で、 孟宗竹の筍だけでなく、鹿児島県全体では高級筍の生産も盛んである。しかし、鹿児島茶があまりメジャーでないのと同じく、鹿児島の筍も全国的にはあまりメジャーではない。つくづく、売り込みがヘタな県民性があるような気がする。
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