庭にあるビワを思い切ってかなり剪定したので、それで出たビワの葉を使って枇杷茶を作ってみた。無農薬のビワだからお茶にするには最適だ。
枇杷茶は古くからの健康飲料で、癌の予防を始め、ダイエット効果や疲労回復効果などがあると言われており、医療関係者にも愛飲している人が多いと聞く。それに健康茶にありがちなえぐみや臭みなどは全くなく、あっさりとしていてクセがない上品な味がする。
普通の枇杷茶は、ビワの葉をただ乾燥させるだけだが、せっかくなので本格的に作ろうと思い、発酵もさせてみた。といってもビニール袋に入れて生暖かい場所に置いておくだけで、本当に「発酵」(つまり乳酸菌等の繁殖)なのかどうかは不明。というか多分違う(※)。ただ、発酵中はビワの葉からまさにビワの果実の芳醇な香りがしてきて、葉っぱしか入っていないのが信じられないくらいだった。それでどれくらい味が向上しているのかはわからないが…。
ところで、鹿児島では「ねじめびわ茶」というのが有名で、けっこう高く売られている。50gで800円くらいだろうか。根占では枇杷茶用にビワを栽培していて、葉に栄養を集中させるために敢えて実を付けない栽培も行っているらしく、果実の副産物ではないからこの価格になるのだろう。
それに、作ってみて思ったが、最初は膨大にあると思われたビワの葉も、虫食いや病気の葉を取り除いたり、発酵・乾燥させるうちにどんどん嵩が減っていって、最終的に茶葉になったのはたったの600gしかなかった。枇杷茶は作るのに手間のかからないお茶と思われているが、真面目にやろうとすると実は効率が悪いようだ。
ちなみに、せっかく作ったので、ラベルも作り袋に入れて、「大浦ふるさと館」に置かせてもらうことにした。50gで200円。ちなみに、私自身は「健康になるから飲もう!」というアピールは好きではなく、あくまで美味しいから飲むというのが王道だと思うので、ラベルには「健康飲料」の文字は入れなかった。ねじめびわ茶も美味しいと思うが、先日ペットボトルのねじめびわ茶を飲んでみたら、それよりはうちの枇杷茶をちゃんと淹れて飲んだ方が美味しいと思ったのでお試しあれ。
※ 緑茶の製作工程でも「発酵」という言葉が使われるが、これは業界用語で「発酵」と言っているだけで本当の「発酵」ではない。乳酸菌や酵母は緑茶の製造には関与していない。では科学的にはなんなのかというと、実は「酸化」なのだ。緑茶には「酸化酵素」というのがあって、これが茶葉を酸化させて味が変わるのである。でも「酸化」というとどうしてもマイナスのイメージがあることと、昔からの慣例で、「発酵」という言葉が使われている。
流石に、元官僚の方なんで…お茶は酸化する!説得力ありますね。なるほど、お茶の発酵は、酸化なんだと、勉強になりました。
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