2013年3月31日日曜日

ボタンボウフウ=長命草の栽培振興

長命草ことボタンボウフウが大浦ふるさと館裏の海岸に自生していると聞き見に行ってみた。そこら中に、たくさん生えている。

ボタンボウフウとは、資生堂が錠剤やドリンクにして「長命草」の名で商品化しているが、ポリフェノールを始めとして各種の栄養成分に富むということで、近年注目されている沖縄や離島の健康野菜である。

南さつま市では2012年度に「畑の学校」を実施したが、この校長を務めた濱田さんという方がこのボタンボウフウに惚れ込んでいた(?)ことを契機として、市民の健康増進などのため、この栽培を広めようとしているようだ。

この植物は寒さには弱いが、もともと波に洗われる岩壁など厳しい環境に自生するということで、海岸が近い暖地では栽培は容易である。実際海岸に自然に生えているくらいなので、南さつま市の環境は栽培に適しているのだが、問題は活用法だ。

濱田さんはバナナと牛乳を合わせてジューサーでジュースにして毎朝飲んでいるということだったが、これを実行するのは一部の人だろう。天ぷらにすると結構美味しかったが、相当なキャンペーンをしないと天ぷらの具材として浸透しないと思われる。不味いものではないが特別美味いわけでもなく、料理法にも今のところ幅がないのでサプリメント的に加工して使うのがよいと思うが、言うは易くというやつで実際には商品化は困難だ。

さらには、与那国島のボタンボウフウが資生堂により商品化されていることを始め、他にも屋久島徳之島、また大手健康食品メーカーでもこれがサプリメントとして商品化されていることを鑑みると、既に商品化は真新しくもなく競争が激しい。やはり本土の強みを活かして、加工しない、生食のボタンボウフウの活用法を切り拓くべきかもしれない。

ともかく、市がどこまで本気なのかは分からないが、せっかく自生までしているという好立地を活かすなら、この利用が商業的に広まることが不可欠で、住民の自給自足的な栽培に期待しても将来の展望がない。その呼び水とするため、今年度市では苗の無料配布を行ったが、認知自体を広げることも必要だ。

例えば、このボタンボウフウはその豊富な栄養成分によって美肌効果が高いらしいが、実際に2ヶ月くらい定期的に食べてもらうことで、肌がどれくらいきれいになるか確かめたり、できればそれを美人コンテストにするなど、まずは話題作りが有効ではないかと思う。それにあたっては、「長命草」などという高齢社会的な雰囲気でなく、「美肌草」くらいのフレッシュなイメージで売っていくのがよいのではないだろうか(※)。

また、ご当地グルメはなぜか最近ファーストフード的ないわゆるB級グルメが多いが、健康的なご当地グルメというのも異色だと思うし、それが美肌にもよいともなれば女性客が見込める。ボタンボウフウの栽培振興にあたって、南さつま市は市民の健康増進のため、という大義名分を掲げていたが、「南さつま市に美人を増やす」というくらいの高遠な目的を掲げてもらいたいものである。

ところで、実は南さつま市でこのボタンボウフウ入りの食品が既に商品化されており、二見屋(味の石燈籠(いずろ))がこれが練り込まれた餃子を販売している(限定品かもしれない)。まだ栽培も始まっていないうちから商品化するあたり、対応が素早い。最近うちでは餃子が食卓に上ることが多いので、餃子のローテーションに加えたいと思う。

※ ググってみたらすでに「美肌草」と呼ばれている草があった(ローズゼラニウム)。

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