ボランティア活動で、小学校で出前授業をしてきた。
私は東京工業大学という「有名な無名大学」の数学科を卒業しているのであるが、この東工大の同窓会を蔵前工業会といって(東工大は、関東大震災の前には国技館の対岸あたり=蔵前にあった)、この蔵前工業会の行う社会貢献事業が「蔵前理科教室ふしぎ不思議」(通称「くらりか」)というケッタイな名前の出前教室である。
要は、大学の同窓会で理科教室の出前授業をやっていて、それに参画しているわけである。ちなみに蔵前工業会鹿児島県支部では、諸事情を踏まえて本部がやっている「くらりか」とは少し毛色の違う出前授業を行っている。まず、小規模特認校を対象として全学年一緒に授業を行うという点、そして、本家は「科学の原理」をテーマにした実験を行っているが、テーマはそれに限らないという点である。
昨年は単なる手伝いだったのだが、今年は何の因果か私自身が授業をすることになり、本日、鹿児島市立一倉小学校(喜入)で「ペンローズ・タイルできれいな模様をつくろう」という授業を行った。
ペンローズ・タイルについては興味があればWikipediaなどで調べてもらえばよいが、とても簡単に言うと、冒頭に掲げた画像のように、どこまでいっても繰り返しがない、でも規則的に並んだ美しい幾何学模様である。
小学生に(も大人にも)なじみがない材料で、しかも小学校1年生にも分かるように説明しなくてはならないということで、「これってきれいでしょ!? 面白いでしょ!?」以上のことを伝えられたか心許ない(というか多分伝えられていないと思う)。
だが、小学生のみんなが熱心に聞いてくれ、やや時間配分で失敗した点もあったが大過なく終われたことに今はホッとしている。年明けには、伊佐市立南永小学校というところでも授業をするので、今日よりも完成度が高い授業ができるようにしていきたい。
ところで、通常、大学の同窓会のボランティア活動などというものは、金も時間も有り余った退職組が活躍するもので、私のようなガキが出る幕はないのが普通である。しかしながら当同窓会はメンバーが少なく、実働部隊となれる人がほとんどいないこともあり、自分の生活すら成り立っていない私が、なぜかボランティア活動をしているというわけだ。そんな暇があるなら生業に励むべきという気もするが、こういう活動が、生業の面でも何か次の展開に結びついたらいいなと思っている(あんまり期待してないが)。
度々コメント入れて申し訳ありません。
返信削除数学科なのですね。高校時代に数学が得意だったので自分は数学ビンタだと思い込んで、鹿大数学科に憧れていました。
大人になってから「高校までの数学と大学の数学はまるで別物」と知り、ひやりとした事を覚えています。
着物にも吉祥紋といってどこまでも広がる柄があります。うろこ、青海波、かごめ、七宝、鮫など。
まさにこの柄が吉祥紋をより複雑にした図形ですね。
後でペンローズタイル調べる楽しみができました。
ようちんさん
削除コメントありがとうございます。ひやりとしたんですかー。数学科面白かったですよ!
普通の幾何学模様というのは、基本的に繰り返しで出来ており、うろこ、青海波等全て繰り返しですよね。このペンローズ・タイルは繰り返しがないというのが特徴でして、これを描こうとするととても大変なんです。もしこれをモチーフにした布などがあればステキですね。ところで、このペンローズ・タイルはイスラムのギリータイルというものと同じ構造になっていて、15世紀のイスラムの工匠たちが、こうした複雑な紋様に(直感によってではなく、理論的な考察によって)たどり着いていたことも驚異なんですよ。
【参考】
http://wired.jp/2007/09/04/%E4%B8%AD%E4%B8%96%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E8%8A%B8%E8%A1%93%E3%81%A8%E3%80%8E%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%80%8F%E3%80%81%E3%81%9D/
数学や科学嫌いだけど、幾何学模様は大好き。風狂さんの授業は私のような食わず嫌い?の子どもに可能性を拓くきっかけになりそうですね。学校の先生ではなく、外部の一般人に授業されるというのはワクワクするものです。素敵なボランティアですね!
返信削除しかしなかなか制約の厳しいスタイルで・・・何故(^^;)
次回は伊佐ですか・・・南薩から北薩へとなかなかハードな出張ぶりですがお気をつけて!
sawachobiさん
削除コメントありがとうございます。小学生に授業するというのは、なかなかエキサイティングで、大変なことも多いですが面白いです! 最初は正直「めんどうなことに巻き込まれちゃったな…」という後ろ向きな気持ちだったんですが、やってみると充実感もあります。準備が大変ですけども…。