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2015年1月6日火曜日

『鹿児島西本願寺の草創期』という冊子を作りました

昨年の初め、このブログ上で「鹿児島本願寺派小史」という続き物の記事を書いた。鹿児島にはなぜ浄土真宗が多いのか、という疑問から出発した、真宗の意外な鹿児島布教について述べたものである。

これ、マニアックな割には意外と評判がよかった記事なのだが、ただそれだけで終わる話、のはずだった。

が、この記事を書くにあたり協力してくれた万世の丁子屋さんへの恩義もあるし、それに鹿児島の真宗興隆に大きな貢献をしながらすっかり忘れ去られてしまった森田寿香、そして吉峯次右衛門のことを伝えていく人間は、僭越ながら多分私の他はいないだろうと思われた。このまま何もしなければ、その記事も去りゆく過去のささやかな墓碑銘にすぎない。

そこで、この一連の記事を少し手直しして『鹿児島西本願寺の草創期』という小論にまとめ、多少の散財をして冊子を製作した。たった30ページくらいの薄い本である。WEBに残っていれば気づく誰かもいるかもしれないが、このブログもいつまで残っているか分からないし、何かを残そうと思えば結局は紙が一番確実である。それに冊子にすれば、誰かに送りつけるのも容易である!

というわけで、この数日、少しでも関心がありそうな人にこの冊子を送りつけている。例えば昨日は、鹿児島純心女子大学の国際文化研究センターに謹呈した(もちろんここのセンターの方に面識はない)。ここは、南方新社から出ている「新薩摩学」という郷土史論考集の編纂をしているところなので、もしかしたらこういうことに関心がある先生もいるかもしれないと思ったのである。

そして、これからは図書館に送付しようと思っている。南さつま市の図書館はもちろん、県立図書館、そして国会図書館にも送りつけてみよう。国会図書館に送りつけるとは大それたことだ、と自分でも思うのだが、 国会図書館法に規定するところによれば、国内の誰であっても、図書を発行した場合は国会図書館に1部納入または寄贈しなくてはならず(第25条)、もし違反した場合は小売価格の5倍を罰金として払わなくてはならない(第25条の2)。

この冊子が図書にあたるかは微妙だが、罰金を科されてはかなわないので国会図書館にも謹呈することにしたわけである(笑)。

ちなみに、国会図書館法の前文はカッコイイ。
国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。
素晴らしい言葉だと思う。何が真理なのか、とか小難しい議論は置いておいて、難しい時代だからこそ、こういう青臭い確信を、いつまでも持ち続けるべきだ。

でも私がまとめたのは、こういう大上段な真理ではなくて、別に忘れられても誰も困らない、些末な歴史である。それを知ったからと言って、誰かを自由にするわけでもない。ただ自分の趣味を押し売りするためならば、冊子にして配るようなことはなかっただろう。私がこれを頒布しているのは、ただ、ささやかな企みのためである。それは、私が何もしなければ、まるで忘れ去られてしまうに違いない森田寿香と吉峯次右衛の二人の記憶を、どこかに留めておこうという企みだ。

というわけで、このブログの読者でもし冊子が欲しいという人がいればご連絡ください。1部であれば無料で送付します。2部以上でしたら、1冊300円で送付いたします(支払い方法などは後から考えます)。頒布のアテはないのに200部も刷りましたのでよろしくお願いします。

【WEB版】『鹿児島西本願寺の草創期 なぜ鹿児島には浄土真宗が多いのか』

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